茶道の稽古場を始めてから20年近い年月が経ちました。
私のお稽古場は、8割以上がビジネスマン・ビジネスウーマンです。
グローバル化が進展する中、ビジネスの世界では、異なる文化を尊重する寛容さと、深く理解する教養が求められるようになっているのを感じます。
大切な顧客にいかに自国の文化を自然に表現できるか?
それが国際社会で活躍していくために必須の素養となってきているようです。
日本には茶道という洗練された「おもてなし」があります。
主人と客が対等でおたがいを想い合いながらひとときを創るものです。
自分を良く見せようとしたら、本当に心地よいひとときにはなりません。大切なのは、虚飾を廃し、等身大の自分を表現すること。
茶人たちは真心を伝えることで、対等なパートナーシップ、本物のお付き合いを行ってきたのです。
しかし茶道は長年のお稽古が必要であるため、一般的には敷居の高い学びとなっています。
忙しい現代人にとって有限の時間を大切な人とどのように過ごせばよいのでしょうか。
私は日頃、裏千家茶道の稽古場で茶道の指導をしています。
弟子たちの多くは自分の学びに留まることなく、会社の入社式のお祝いの席やコミュニティーの場で気持ちを整える時間をつくるために、あるいは友人への労いをするために、茶室を飛び出し一服のお茶を活用し円滑な場を創っています。
このような日常でのおもてなしが広がることで、少しでも世の中が明るい方へ進むことを期待し伝統的なお稽古に精進しています。その一方で、「日常で、仕事場で、”お茶” のおもてなしをしてほしい」との願いから、「おもてなし講座」を創りました。
茶道の古典的な学びから日常に活かすための実践型のエッセンスを抽出し、ビジネスの現場でも発揮できるスキルを身に着けるための講座として再構成したものが「おもてなし講座」です。
講座の目的
一服のお茶を通して真心のおもてなしをすることで、大切なお客様にあなたにとってかけがえのない人であることを伝える。
それが「おもてなし講座」の目的です。
現代に受け継がれるお茶
織田信長の「茶の湯ご政道」という言葉があるように、戦国武将たちにとってお茶は武士のたしなみでもありました。
明治時代、三井の大番頭の益田鈍翁や、電力の鬼といわれた松永安左衛門など、ビジネスの世界で活躍した人たちの多くは茶人であり、ビジネスの世界にお茶のおもてなしを融合したことでも有名です。
最近話題のテレビドラマの中でも、堺雅人さんが「盆略点前」でおもてなしをしていました。
「盆略点前」は忙しい現代人が日常でできる茶道です。
講座で体得していただく「盆略点前」で日々おもてなしを実践していくことで、一碗のお茶がいかに有用であるかを実感できます。
自ら日本文化と精神のすばらしさを体験し、多くの人に伝えることができる喜びを味わうことになります。なぜなら、お茶は日本の伝統文化や精神を内包しているからです。
この「おもてなし講座」は、わずか3回で、お茶の本質を日常生活や仕事のなかで活かすことができるようにプログラムされています。卒業生はすでに200名を超え、日常生活で形だけではないお茶のおもてなしをしています。
「おもてなし講座」は、特別な事をするのではなく、日本文化を学びながら、自分にあったもてなし方を編み出し、日常に大切な時間を作っていく講座です。
対象者
1.日本文化を学び「おもてなし」で大切な方と本物のお付き合いをしたいと考えている方
2,茶道を体系的に全体的に掴めるようになりたいと考えている方
座学は一の段で茶道の全体を学び、二の段で全体を支える柱を深めます。
三の段では世界の平和を祈る茶箱点に加え、日本文化の原点とも言える古今和歌集の仮名序を紐解き、一服の深さをさらに追求します。
実技では細やかな茶道具の扱い方をご指導しております。
長年茶道のお稽古をされている方も参加されています。
受講後のゴール
【一服のお茶を通して、一座建立の場を創り出せる人になる】
具体的には、茶道を通して日常に、以下の3つの場の創出をめざします。
・日本文化を大切にした暮らしをする
・大切な方に、「あなたが自分にとってかけがえのない人であること」を伝える
・大切な方と互いを尊重した本来のお付き合いをする
一ノ段の特徴
はじめての方は、「一ノ段」をご受講ください。
講座の日程はこちらです。
・たった3回(1回2時間半)の講座で、一座建立の本質へと迫っていきます
・茶道具の細かい扱い方を身に付けることができます
・お茶をおもてなしするために必要な茶道具がすべて揃った「おもてなし茶箱」が教材として付いています
・講座終了後に、必要な点前の所作を繰り返し確認できるオリジナルDVDを差し上げます
一二三会について
文京区・護国寺に、裏千家茶道「一二三会」の稽古場はあります。
茶道の学びを深め、日常に生かす茶道の心を探究し、実践を心がけ、老若男女が所属する会です。一二三会の詳細は、サイトをご覧ください。https://123kai.org/